がんという病気は症状が出にくいものです。
症状が出てきたら進行していることも少なくありません。
ではどのようにすれば、進行する前に発見できるのでしょうか。
それは定期健診で見つけていくしか方法はありません。
2024.4現在では、リキッドバイオプシーといって、
採血でがんの可能性を示すものや、
線虫をつかってがん特有のタンパクを調べるようなもありますが、
これらはあくまで指標でしかありません。
まだ検診の効果として認められるほどには至っていないのです。
画像診断、内視鏡検査などと合わせて、がんの可能性を高めていくのです。
確定診断には組織を採取して、病理検査で確定させる方法になります。
具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
予防検診の大切さ

会社の定期健診は受けてるよ。
それで異常ないんだし大丈夫だよ。
ジムにも行って運動もしてるし、がんなんてならないよ。
先にも示しましたが、がんは症状が少ない病気です。
「元気だから大丈夫」というのは、指標にはならないので注意が必要です。
そして残念ながら、定期健診で分かるのは、生活習慣病が主体となります。
高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームなどです。
定期健診の中にがん検診は含まれていないのです…
医療の発達により、がんは早期に発見できれば治る病気になってきています。
そのために、早期発見できるよう検診制度が整えられています。
各市町村で無料検診も受けられますので、検討してみましょう。
がん検診の種類
検診として勧められているものは次の5つです。
検診の目的は、「がんによって死亡するリスクを減らす」です。
がんに罹患するリスクを減らすためではないので、知っておきましょう。
胃がん | 胃部レントゲン or 胃内視鏡検査 | 50歳以上 | どちらかを1回/2年 ※レントゲンは40歳以上、 1回/年も可能 |
大腸がん | 便潜血検査 | 40歳以上 | 1回/年 |
肺がん | 胸部レントゲン、喀痰細胞診 | 40歳以上 | 1回/年 ※喀痰細胞診は50歳以上で 1日本数×年数=600以上が 対象 |
乳がん | マンモグラフィ ※視診・触診だけでは推奨されない | 40歳以上 | 1回/2年 |
子宮頸がん | 視診、子宮頚部の細胞診、内診 | 20歳以上 | 1回/2年 |
年齢の規定があるのは、検診を受けたから100%大丈夫ということはないからです。
下記のリスクよりも、早期発見できた利益の方が高いと判断される場合に実施します。
その年齢は、そのがんの罹患率が多くなる年代から設定されています。
会社の定期健診で内視鏡などを行わないのは、やはり合併症のリスクがあるからです。
極力、身体への負担が少ない検査から選択し、
リスクが認められるなら、より負担を強いる検査へと移行されるのが通常です。
検診で「要精密検査」と判定された場合でも、実際にがんである場合を以下に示します。
再検査の必要はありますが、症状のない場合は、過度に心配しないようにしましょう。
胃がん | 約1.9% | 約50人に1人 |
大腸がん | 約3.1% | 約30人に1人 |
肺がん | 約2.8% | 約35人に1人 |
乳がん | 約5.6% | 約18人に1人 |
子宮頸がん | 約1.4% | 約70人に1人 |
まずは日常生活の見直しを!

検診だけでは不十分なのはわかったよ。
じゃあ実際どうやって予防すればいいの?
症状出てからじゃ遅いんだよね?
生活習慣病に気をつけて過ごすことが、結果的にがんの予防にもつながります。
がんは生活環境に関連することから、生活習慣病のひとつともいわれます。
がんに限らず、健康的な生活を送ることは、あらゆる疾病の予防につながります。
下記に、がんの要因となりうる主な習慣について挙げます。
がんの要因
以上が主な要因です。
それぞれの特徴をみていきましょう。
禁煙
喫煙・受動喫煙を指し、多くのがんとの関連があります。
百害あって一利なしがたばこです。
中毒性があるので止めにくいですが、禁煙外来も進んでいます。
電子タバコも同様にリスクが上がる要因です。
禁酒
肝臓がん、食道がん、大腸がん、乳がんとの関連があります。
適量を知り、それ以上を飲まないようにしましょう。
食生活
※一般的に健康でいられる食事量とされているものです。
高血圧や脳血管疾患のリスクも下げられます。
運動
少しでも運動習慣を取り入れることで、健康を維持できるというのは共通です。
心疾患や脳血管障害のリスクも下がります。
適度な身体活動量の目安
18歳~64歳:ウォーキング程度を60分/日+汗かく程度を60分/週
65歳以上:毎日40分なにかしらの運動
体重管理
BMI値:男性21~27、女性21~25
BMI=体重㎏÷(身長m×身長m)
例:160㎝、54㎏:54÷(1.6×1.6)=21.1
太り過ぎは病気になるイメージがあると思いますが、
痩せすぎでも低栄養状態となり、健康状態は悪いとされます。
無理なダイエットは控えて、適度な運動・食事が重要です。
感染
ウイルスや細菌に感染していると、がんのリスクが上がるものが知られています。
早期発見でそれぞれの治療をすることで、対応可能です。
ヘリコバクターピロリ菌 | 胃がん |
ヒトパピローマウイルス(HPV) | 子宮頸がん |
B型・C型肝炎ウイルス | 肝臓がん |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1) | 成人T細胞白血病リンパ腫 |
病院に通ってない事がいいとは限らない

普段の生活と検診が大事なんだね!
良く分かったけど、
結局、職場の定期健診以外で病院に行くのって難しいよね。
その通り、どこも調子悪くないのに、病院に通うことは難しいかもしれません。
リスクが上がる年齢を知っておき、
普段から自分の体調管理に関心を持つことが大事なのかなと思います。
特に、高齢であるほど、
「私は今まで病気したことない」「少しの体調不良くらい自分で治してきた」
と、病院に通っていないことが健康のステータスとなっていることが多いです。
若い方では、
「仕事が忙しくて病院には行けなかった」「すぐ治ると気にしなかった」
と受診を先延ばしにしていることも多いです。
どちらの状況もとても良く分かりますし、私自身もそう思うと思います。
ですが、これらは実際に、がんと診断される多くの人から聞かれる言葉です。
自分の身体の声は自分にしか聞こえません。
自分の身体は一つしかありませんので、しっかりと労ってあげてください。
少しでも気がかりがあるなら、面倒くさがらずに受診してみる事が大切ですよ。
今回は以上です。
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